指定管理者制度の概要
従来は、地方公共団体の下で、具体的な管理業務を受託できたのは、公共団体(土地改良区等)、公共的団体(農協、商工会、自治会等)、地方公共団体の出資法人のうち一定用件を満たすもの(2分の1以上出資)に限られてきましたが、改正後は、地方公共団体の指定を受けた「指定管理者」が管理を代行できることとなりました。
指定管理者となりうる者の範囲については、自治法上では特段の制限が設けられていないため、出資法人ではない株式会社等であっても指定管理者となることが可能です。また、指定管理者は、行政処分の一種である使用の許可を行うことができることとされています。
従来の公の施設の運営管理と指定管理者制度の主な相違点の比較
管理委託制度(従前) 地方自治法の改正前 | 指定管理者制度(法改正後) 地方自治法の改正後 | |
管理運営主体 (市が管理運営を委ねる相手方) | ・自治体等の公共団体 ・公共的団体(農協、商工会、自治会等) ・自治体が出捐・出役立てる自治体出資法人で、自治体出資の出捐・出資が2分の1以上の法人に限定。 ・相手方は条例等で規定する。 | ・指定管理者の対象となる団体・法人等は、民間事業者を含む幅広い団体(個人は除く)である。 ・特別な制約を設けず、具体的な管理者を議会の議決を経て指定する。 |
権限と業務の範囲 | ・施設の設置者である自治体との契約に基づき、具体的な管理の事務または業務の執行を行う。 ・施設の管理権限及び責任は、施設の設置者である自治体が引き続き有し、施設の使用許可権限は委託できない。 | ・施設の管理に関する権限を指定管理者に委任して行わせるものであり、施設の使用許可も行うことができる。 ・設置者である自治体は、管理権限の行使は行わずに、設置者としての責任を果たす立場から必要に応じて支持等を行う。 |
条例で規定する内容 | ・委託の条件、相手方等を規定する。 ・管理者等 | ・指定管理者の指定の手続 ・指定管理者が行う管理の基準及び業務の具体的な範囲を規定する。 |
利用承認等の処分 | ・管理受託団体が単独で右記に掲げた利用承認等の処分を行うことはできない。 | ・利用者から利用料金を自らの収入として収受する。 ・条例により定められた枠組みの中で、自治体の承認を経て自ら料金を設定する。 ・個々の使用許可を行うこと。 |
契約の形態 (市と管理者との関係) | ・委託契約 | ・指定(協定) ・指定管理者の指定は、地方自治法上の「契約」には該当しないため、同法で規定する「入札」の対象ではない。 |