掲載日: 2023年10月2日更新
仏像とは、仏教の開祖である「仏(ほとけ)」様の像に加え、仏教にまつわるあらゆる像を総称した呼び名です。
仏像には大きくわけて「如来(にょらい)」「菩薩(ぼさつ)」「明王(みょうおう)」「天部(てんぶ)」の4つの種類があります。
仏像の中で最も上位にあたり、悟(さと)りを開いているのが如来です。
その次に位置するのが、悟りを開くため修業している最中にある菩薩です。
その次が、激しく怒っているかのような険しい表情をしている明王です。
その次が、上位の仏に従い、敵と戦う人々の守り神で、戦士や天女などの天部です。
このほかにも、さまざまな種類の仏像がありますが、仏像は信仰礼拝の対象としてだけではなく、芸術的・美術的な観点から鑑賞されるほか、今日では美術品としての価値も高まっています。
市指定有形文化財の仏像は25軀(く)あり、そのうちいくつかをご紹介します。(それぞれの仏像の詳細は「田村市の文化財一覧」からご覧いただけます。)
名 称 | 数 量 | 所 在 |
木造聖観世音菩薩立像 | 1軀 | 田村市滝根町菅谷字入水(入水寺観音堂) |
木造薬師如来坐像 | 1軀 | 田村市都路町岩井沢字中作(長岩寺) |
木造阿弥陀如来立像 | 1軀 | 田村市都路町古道字本町(円寿寺) |
木造南無太子立像 | 1軀 | 田村市常葉町常葉字上野(成願寺) |
東円寺薬師堂仏像群 | 15軀 | 田村市常葉町関本字岡ノ内 |
木造薬師如来立像 | 1軀 | 田村市船引町堀越字大門(大風薬師堂) |
木造地蔵菩薩坐像 | 1軀 | 田村市船引町文珠字南(萬福寺) |
木造地蔵菩薩坐像 | 1軀 | 田村市船引町芦沢字是哉寺前(是哉寺) |
木造薬師如来坐像 | 1軀 | 田村市船引町堀越字大門(龍泉寺) |
木造聖観音菩薩立像 | 1軀 | 田村市船引町船引字新房院(薬師堂) |
小金銅仏(鎧仏) | 1躯 | 田村市船引町船引字南元町(市生涯学習課) |
木造聖観世音菩薩立像
はじめは、滝根町菅谷・入水寺(にっすいじ)観音堂に安置されている木造聖観世音菩薩立像(もくぞうしょうかんぜおんぼさつりゅうぞう)です。
一木造りで高さは約154 センチあり、その作風から室町時代頃のものと推定されます。入水寺縁起(えんぎ)によると、しばしば火災に遭っており、腕や台座などは後補となっています。
木造薬師如来坐像
次は、都路町岩井沢・長岩寺に安置されている木造薬師如来坐像(もくぞうやくしにょらいざぞう)です。高さは26.5センチあり、造立年代は不明です。
長岩寺由来記によれば、昔、干かんばつがあった時、ひとりの翁(おきな)が現れて雨ごいをしたところ大雨が降ったといい、その翁が背負っていたのがその像だったとされます。
東円寺薬師堂仏像群
次は、常葉町関本・東円寺薬師堂に安置されている東円寺薬師堂仏像群(とうえんじやくしどうぶつぞうぐん)15軀です。
堂内中央に薬師三尊(薬師如来、日光菩薩、月光菩薩)と、それを取り囲むように十二神将が配置されています。諸像はいずれも江戸時代の作と推定されます。
木造薬師如来坐像
最後は、船引町堀越・龍泉寺に安置されている木造薬師如来坐像です。
寄木造りで高さは42.7 センチあり、両手首より先が欠損(けっそん)し、像名を判断することはできませんが、頭部内に「永和元年」(1375)の年号とともに「奉造立薬師如来」と墨書(ぼくしょ)されていることから造立年と尊名がわかります。
所在 「木造聖観世音菩薩立像」入水寺観音堂(田村市滝根町菅谷字入水地内)、「木造薬師如来坐像」長岩寺(田村市都路町岩井沢字中作地内)、「東円寺薬師堂仏像群」東円寺薬師堂(田村市常葉町関本字岡ノ内地内)、「木造薬師如来坐像」龍泉寺(田村市船引町堀越字大門地内)
見学 仏像については生涯学習課へお問合せください。
(たむら市政だより令和5年10月号より。内容は当時のもの。)
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