田村市

TAMURA

ワクワクがとまらない
自然とチャレンジがいきるまち田村市

背景色

文字の大きさ

田村市

TAMURA

ワクワクがとまらない
自然とチャレンジがいきるまち
田村市

「三十三観音」 令和4年12月号掲載

掲載日: 2022年12月1日更新

観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が33の姿に変化し、衆生(しゅじょう。生命のあるすべてのもの)を救うという観音信仰が、飛鳥時代に中国から日本に伝来します。この信仰は平安時代になって貴族社会に定着し、観音霊場参詣が活発化する中で、近畿地方を中心に点在する観音菩薩をまつる札所寺院33か所を巡る西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)が形成され、これを巡礼参拝することで現世での罪が消滅し、極楽往生できるとされました。

西国三十三所の影響を受け、東国にも坂東三十三所や秩父三十三所などが設けられ、田村市関連でいえば室町時代に福島県中通り地方に仙道三十三所ができ、今の堂山王子神社(船引町門沢・旧堂山寺)、日渡神社(船引町新舘・旧満願寺)、入水寺(滝根町菅谷)の3か所が札所とされました。
写真1 国指定重要文化財堂山王子神社本殿
堂山王子神社(国重要文化財)

当初は、修行僧や修験者などが巡礼を行っていましたが、江戸時代になると庶民の間で大いに流行し、各地に形成された三十三所巡礼が盛んに行われました(福島県内では会津三十三所が有名。田村市関連では三春三十三所などがあります)。そうした中でも西国三十三所は憧れの聖地で、田村市菅谷・入水寺の裏山に所在する市指定史跡「入水(いりみず)三十三観音」は、自然の岩などに浮彫りされた磨崖仏(まがいぶつ)で、1850(嘉永3)年に寺の信徒が西国三十三所を巡礼した記念に、各札所の土を持ち帰り、造立した像の下に埋めたとされます。浮彫りされた33体の像には西国三十三所それぞれの札所名と寺名、本尊名が刻まれています。
特(生涯学習課)入水三十三観音(正面トリミングして)

ほかにも未指定ではありますが、船引町芦沢字本郷に所在する「西国三十三所供養塔」は1861(文久元)年の銘があり、観音像それぞれに札所名や本尊名などが刻まれています。しかし、明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の際に像が毀(こわ)され部分的に破損しています。
特(生涯学習課)西国三十三所供養塔(芦沢本郷).JPG

西国三十三所崇拝を物語る文化財としてもうひとつ、船引町の片曽根山頂付近にある岩壁に線刻された市指定史跡「片曽根三十三観音」があります。江戸時代後期、重病を患った付近住人が、自分の病気が治るようにと西国三十三観音を彫って祈願したところ、願いが通じ病気が治ったという言い伝えがあります。
特(生涯学習課)片曽根三十三観音.JPG

なお、西国三十三所には現在も多くの参拝者が訪れ、2019(令和元)年「日本遺産」に認定されました。

information

所在 入水三十三観音(田村市滝根町菅谷字大六地内)、西国三十三所供養塔(田村市船引町芦沢字本郷地内)、片曽根三十三観音(田村市船引町片曽根山山頂)、
見学 見学自由。
文化財 入水三十三観音、片曽根三十三観音(市指定)


※本郷集会所が目印です。集会所北側にあります。

たむら市政だより

R04.12市政だより_page-0001

たむら市政だより令和4年12月号より。内容は当時のもの。)

ご意見をお聞かせください

お求めの情報が十分掲載されていましたか?

ページの構成や内容、表現は分かりやすいものでしたか?

この情報をすぐに見つけることができましたか?

※いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。