主将として「チームの一員」から「チームの模範」へ
高橋公太(福島商業高等学校 2年/都路町出身)
都路町出身で、福島商業高校野球部で活躍する高橋公太さん。今年の夏の全国高校野球福島県大会では、2年生ながら正捕手として出場。甲子園出場はかないませんでしたが、県ベスト4に貢献。新チームではキャプテンに就任しました。父親に憧れて野球を始めた少年が大きく成長し、高校生活の集大成として来年の春・夏大会に挑みます。若き挑戦者の覚悟や葛藤などをインタビューしました。甘いマスクの内には、しっかりと芯があり、やさしくも強い信念が感じられました。仲間を愛し、仲間に愛される、高橋さんの今後の活躍が期待されます。
また、甲子園の大会歌として有名な「栄冠は君に輝く」は同校の卒業生の古関裕而さんが作曲したものです。伝統と歴史のある福島商業高校野球部が来年の甲子園で活躍し、改めてその名を轟かせることを期待せずにはいられません。
Profile
- 生まれ/2004年5月12日、都路町
- サイズ&投打/180センチ、86キロ、右投右打
- 球歴/小学4年生で古道スポーツ少年団(ソフトボール)に入団。都路中学校進学後、軟式野球部で捕手。3年時、田村地方選抜チームに選出。福島商業高校では1年秋からベンチ入り。2年春から正捕手、夏の大会では県大会ベスト4に貢献。2年秋から主将。
- 座右の銘/挑戦
- 好きな野球選手/大谷翔平
- 習慣にしていること/ごはんをたくさん食べること、早寝早起き
- 趣味/音楽を聴くこと、友達と遊ぶことが一番の楽しみ
福島商業高校を選んだ理由 野球へのPRIDE
福島商業高校(以下、福商)へ進学を決めたのは、父が会社を経営しているので、漠然と、会計の勉強や検定を取得して、少しでも役に立ちたいという思いからでした。あとはもちろん野球。変なプライドかもしれませんが、私立高校ではなく、どうしても県立高校で甲子園を目指したいという思いがあり、いろいろな学校を見たうえで、最終的に福商進学を決めました。
福商入学後、1年秋にベンチ入りし、2年春から正捕手として先輩たちと甲子園を目指し日々練習に励みました。キャッチャーは、先輩後輩関係なく、ピッチャーを支え、試合を作る大事なポジション。試合で勝てた時が一番嬉しい瞬間でしたが、2年生レギュラーは自分だけ。先輩たちの足を引っ張ってはいけないというプレッシャーが不安に変わり、思いっきり野球ができない瞬間もたくさん経験しました。
先輩からの感謝の言葉を胸に 新たな決意
3年生にとって最後の夏。結果は県ベスト4。決して悪い成績ではありませんでしたが、自分が足を引っ張ってしまったのではないかという不安に駆られていました。3年生との最後のミーティングで「公太がいたからここまでこれた」という感謝の言葉をもらい、これまで頑張ってきて良かったと思えました。とはいえ、甲子園出場を果たせなかった悔しさに変わりはありません。夏の悔しさを自分が一番近くで経験し、甲子園という場所がどれだけすごくて、遠い場所であるかを気付かされました。この悔しさ・経験を新チームに伝え、来年は「絶対、甲子園に行く」と決意しました。
新チームになり、キャプテンに就任。改めて、先輩たちの「強さ」を実感。実力・チーム力ともにまだまだ足りていないため、レギュラー陣だけでなく、チーム全体が甲子園を目指して切磋琢磨し、いかに熱く関われるチームとなるか…。これからオフシーズンに向けて、仲間に大事なことを伝え、死にもの狂いで練習し、「甲子園に行くチーム」を作っていく覚悟です。
たくさんの「出会い」と家族の存在
野球を続けて良かったことは、たくさんの「出会い」があったこと。都路でともにプレーし、(時に、ばかみたいにはしゃいで怒られ…笑)今でも連絡を取り合い、刺激し合える親友でありライバルである地元の仲間たち、そして誰も知らない環境で新たに培った福商の仲間。この出会いがあったからこそ、これまでやってこれたと思います。そして感謝するのは、いつも支えてくれる家族の存在です。今は、学校近くの祖父母の家で生活していて毎日会うことができませんが、家族が家にいることがどれだけ大切だったか実感していますし、自立していかなければならないということも気付かされました。
後輩に向けて…
夢や目標をもったときに、いろいろな困難や苦労があると思いますが、全力で突き進んでほしいです。そして、とにかくご飯はしっかり食べること!
「この冬、さらなる進化に期待」
福島商業高校野球部 渡辺真也監督
体も大きく、入学当初から風格がある選手。キャプテンとして、大らかで包み込むような性格が全体をまとめていけると期待している。チームに語りかける姿勢を持っており、一生懸命チームを牽引してくれている。一選手としてもチームの中心、捕手として、さらに打撃の技術も向上している。少し気持ちが優しすぎる面があるので、この冬さらなる強さを得て、大きく成長してほしい。
たむら市政だより2021年12月号掲載
(たむら市政だより2021年12月号より。内容は当時のもの。)