田村市

TAMURA

ワクワクがとまらない
自然とチャレンジがいきるまち田村市

背景色

文字の大きさ

田村市

TAMURA

ワクワクがとまらない
自然とチャレンジがいきるまち
田村市

「民俗芸能-太々神楽-」 令和4年10月号掲載

掲載日: 2022年10月7日更新

春や秋などに神社の祭礼で神様に捧げるための舞を神楽といい、古くは神座に神を迎え行う鎮魂の神事を、のちに芸能化し神楽と呼ぶようになりました。

宮廷の御神楽(みかぐら)に対し、地方のものを里神楽(さとかぐら)といい、巫女神楽、出雲流神楽、伊勢流神楽(湯立て神楽)、獅子神楽に大きく分けられ、市内に伝承されている太々神楽(だいだいかぐら)は出雲流神楽にあたります。
出雲流神楽は、榊や幣束などを持って場を清めるために素面で舞う採物舞(とりものまい)と、古事記や日本書紀に伝わる神話を面をつけて舞踊劇風に舞う神能(しんのう)とがあります。

福島県指定重要無形民俗文化財の船引町大倉「大倉の太々神楽」は、江戸時代後期に神楽の師匠として活躍した國分大隅(こくぶんおおすみ)が、大倉神社の神職に就いたことが縁で、村人たちに神楽を教えたことに由来します。今に伝える演目は小神楽といわれる採物舞と大神楽といわれる神能のあわせて36座あり、県内でもこれほどの演目数を伝えるところはそうはありません。
特(生涯学習課)大倉の太々神楽

田村市指定無形民俗文化財の常葉町山根「山根の太々神楽」は、詳しい由来については不明で、江戸時代から行われていたものは廃絶してしまい、1882(明治15)年に御神楽会を結成し、近郷より習い受けたものが今に伝わります。演目は小神楽8座と大神楽13座とがあり、このうち3~5座を選んで山根日鷲神社の祭礼で舞を奉納します。
特(生涯学習課)山根の太々神楽.JPG

ほかにも未指定ではありますが、船引町船引「板橋の太々神楽」、同町門鹿「門鹿の太々神楽」、同町新舘「新舘の太々神楽」などがあります。
このうち「新舘の太々神楽」は祭礼のたびに新舘神社境内に舞台を組み上げるという古い風習を残しています。
新舘の太々神楽

前回(令和4年9月号)紹介した獅子舞同様に太々神楽もそれぞれ保存会により継承が行われています。しかし、どの保存会も会員の確保に頭を悩ませています。そんな中、大倉や山根の保存会では小・中学生にすそ野を広げ、若いうちから神楽に親しむ機会を設け継承に取り組んでいます。

時代の変遷とともに廃絶してしまった民俗芸能はこれまで数多くありました。一度でも継承が途絶えてしまうと、復活させるのは困難です。現在継承されている民俗芸能も今後の状況次第では廃絶する可能性があります。東日本大震災や新型コロナウイルス感染症は継承活動に大きな影響を与えています。地域の宝である民俗芸能がそれらを乗り越え、地域の絆で末永く継承されることを望みます。

information

所在・見学 指定無形民俗文化財一覧からご確認ください。
文化財 大倉の太々神楽(県指定)、山根の太々神楽(市指定)
※「大鏑矢神社の夫婦獅子舞」、「石森の三匹獅子舞」、「石沢の三匹獅子舞」、「光大寺の三匹獅子舞」、「大倉の太々神楽」、「芦沢の八ツ頭獅子舞」、「畑中の大神楽」、「遠山沢の三匹獅子舞」、「戸ノ内の神楽獅子舞」、「荒和田の三匹獅子舞」、「牧野の神楽獅子舞」、「今泉の三匹獅子舞」、「子松の三匹獅子舞」、「栗出の神楽獅子舞」、「門鹿の太々神楽」、「山根の太々神楽」、「田子屋の三匹獅子舞」、「新舘の太々神楽」、「入三洞の三匹獅子舞」、「岩井沢の三匹獅子舞」、「堀越の太々神楽」については映像で記録しています。田村市図書館で貸し出ししています。ぜひご利用ください。

たむら市政だより

R04.10市政だより_page-0001

たむら市政だより令和4年10月号より。内容は当時のもの。)

ご意見をお聞かせください

お求めの情報が十分掲載されていましたか?

ページの構成や内容、表現は分かりやすいものでしたか?

この情報をすぐに見つけることができましたか?

※いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。